Kの命日/休日

2月25日(木)晴れ

昨日より暖かい。今日はKの命日だ。もうあの日から2年が過ぎた。

弟に連絡する。日曜日に3回忌を済ませたという。2年で3回忌というんだな。わたしは、そういうことに本当に疎い。Kの誕生日だけは生涯忘れることはない。それは要するにわたしの誕生日で、1年違いの同じ日。毎年のように「誕生日おめでとうございます」「いやいやそちらこそおめでとうございます」とふざけ合っていたのに。

Kは死ぬ数ヶ月前「好きなことやって生きてきたし、別にいつ死んでも後悔はない」なんてことを言っていた。それは救いでもあり、遺言のようでもあり、後々わたしを慰め、また悔しがらせた。

最後に会ったのは函館で、夏子と3人でカラオケに行った。さらに同級生の店に飲みに行くというKと交差点で手を振って別れた。本当にあれが最後の姿だった。火事で死んだKを、わたしは見なかった。

 

今日わたしは一歩も外に出ることなく、ドアノブに触れることなく部屋で過ごした。

シモーヌ・ヴェイユ重力と恩寵』を少し読み進めるとすぐに眠気が来て、昼寝までした。

究極の純粋さを志したヴェイユ。こんなに汚れ、落ちぶれてクタクタになった自分が読む時、恩寵をもたらしてくれるのか、それとももうわたしには何も取り戻せず、得られもしないのだろうか。

 

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