『きみの鳥はうたえる』

5月2日(日)晴れ(夜風強い)

誕生日。Kの弟にメール。Kの誕生日でもあるから。人は死ぬと命日ばかりになってしまうけれど、わたしはKの誕生日を生涯忘れることはない。いくら数字に弱いからといって。

今日は休みでずっと家にいた。本を1冊読み、映画を2本観た。

特にNさんからおすすめされた「君の鳥はうたえる」は良かった!

函館が舞台で、その排他的で閉塞した独特の空気にやられた。苦しい。正直懐かしさすら感じる。逃げても逃げても追ってくる。掴みどころがなくて、そばにいるだけで不安になるような僕。佐知子が、不安=ドキドキする=恋?と思ってしまうのもよくわかるし、その後、真っ直ぐな表現をする静雄に惹かれていくのは女が求める「安定」ゆえか?

濃すぎる日々もいつかは終わっていく。こんなのを何度繰り返したら人生は終わるのだろう。その後、「安定」するかなど分からず。静雄の母のようにフラフラな日々が待っているのかもしれない。全部が不安定で心許ない。そして、そういうモラトリアム期みたいな人生しか送れない自分に重ねてしまった。

函館の夏が短いように、彼らの夏もまた濃厚にして、あっさりと終わってしまいそうである。そしてまた次の濃厚さが待っているのだろうな。