怒る女

これを書いているのは日付が変わった水曜日。足の裏じんじんする。自閉傾向の強いAさんがなかなか気持ちが落ち着かず、とある男性スタッフにずっと怒りをぶつけていて、部屋で話し合いみたいになってるものだから、仕方がないけれどもそれ以外の全てがこちらに降りかかる…ってわけであまりに目まぐるしくやる事があって、あれやこれや、それでも進まない。ご飯もキッチンで立って急いで食べた。我ながら美味しい出来だったのに詰め込む感じになってしまった。

Aさんの怒りというのは、何か一つの出来事があったから、というよりも何かもっと根源的なもの、生の不条理とか、自分が受けてきた不当な待遇とか、自分でもよく分からないけれど、(言語化するには難しいような)、でも絶対にそこにある煮えくり返えるような、大きなものなのではないかと感じた。

それをみんな隠して生きているだけだ、私たちは。

ほとほと「なんで」怒ってるのかわからない、理由が欲しい男性スタッフは、ただただ困り果て、言いたいことあるなら全部言って、自分も直すから、と言ってたけど、そんなことではないんだろう。

ただお前の存在が、私をイラつかせる!と、恋愛の、あのどうしようもない時期すらも思い出すようなかんじ。深すぎる関係。諦めてない関係の。

私は、最後にAさんにおまじないとしておでこに冷えピタを貼り、のび太はねー3秒で寝るんだよ、とか、寝る前に楽しいことを考えたら楽しい夢が見られるんだって!なんて、自分が出来てないことを並べた。そして、ベッドに一緒に腰かけて、ただただ背中をさすり、Aさんはそのままでいい。何も心配はいらないと繰り返し繰り返し伝えて、明日も来るからね、また会おうね、と念を押した。

何とか落ち着いて横になることができて、私は帰った。Aさん、波あれど約8時間くらい怒っていたことになる。その後(夜勤の)さっきの男性スタッフからLINE。助かりました!色々ありがとうございました!とか書かれていた。彼は一生懸命なんだよ、わかるんだよ、優しいし丁寧なんだ、でも、なんていうか、女としてもし彼と付き合ってたら私もあんな風に荒れるだろうなーって思う。鈍臭くて、自分のことを本気で思ってくれてるのが何か伝わってくるから、わざとどこまで愛されてるのか試してしまうのだよね。どんなに酷くても嫌われない確信が欲しい。Aさんは違うかもしれないけれど、その雰囲気がなんだか似ていて、私はふぅーとため息をついた。

ファミマに寄ってお菓子を買って、シャワーを浴びて、キンキンに冷やした部屋で食べた。本当なら、ビールでも飲めるようならプシューってやるんだろうけど、あいにくお酒に弱いもので、晩酌の習慣がないのだ。はあー。酒飲めたらもっとリラックスして眠りにつけるんだろうな。とりあえず、明日も何とか頑張ろう。平和だったらラッキー、くらいの感覚だ。