微熱

朝は36.6°Cになったはずの体温も午後にはやっぱり37°Cちょうど。体に熱がこもる感じ。(よくあるやつ)喉は相変わらず痛い。生理も相まってどんより重い。今日はなるべく窓は開けないようにしていたけど、気温も上がってるし少しだけ。腱鞘炎?らしき肘には湿布。なんか気持ちが荒む。完全に引きこもって3日目。キム・エラン『外は夏』を読みながら横になる。少し眠る。短編集だからじわじわと1編ずつ味わって読んでる感じ。

ネットを開けば、感染者や自粛しない人への誹謗中傷。営業している店に脅し。なんかこれ、わからないけど戦時中みたいだ。確かに無症状であっても人へうつす危険性を指摘されているのにむやみに出歩いたり移動している人は少し自覚が足りないだろうとは思うし、正直怖い。けど、一方で「私は真面目に自粛しているのに、お前は自由にやっていて許せない」構造、どこかで見たことある、アレが発動して、執拗に叩いているようにも見える。アレは芸能人の不倫とかを我が事のようにして烈火のごとく怒って存在価値や人格否定までするいつものアレです。正しさが、正義が、怖いとはこのこと。正義のためにみんな戦争に行ったのです。

ルワンダの大虐殺では、ツチ族には「フツ族が襲ってくる」、フツ族には「ツチ族が襲ってくる」、やらなきゃやられるとメディアが煽り、恐怖の果てに殺し合いになったこと。そんなことまで想起させる。そう考えていくと私たちの世界は常に何かによって分断させられているのかもしれない。たまたまそばにいる人が似た価値観だから意識せず過ごしているけれど、ネットでは常に右だとか左だとかやっているのを見て、頭の悪い私は理解できずにいた。中間はないのかと。それは今リベラルと言われているけど、リベラルな発言をすると左と認定されるらしい。それが日本です。

ふと、なんか疲れたな。早くこの時代が過ぎていって人生終わらないかな、めんどくさいな、って気持ちになることがある。投げやりな感じに。いつも何かの災害や非常事態で世の中が喧嘩していて、その罵り合いを見てしまうことに疲れる。けれど、それを全く目に入れないようにして生きている人たち!高みの見物かわからないけれど、気づかぬふりで淡々と天国で「ていねいな暮らし」を続けて穏やかな笑みを浮かべる人たちにもおぞましさを感じてしまう。

ママさん雑誌なんかが「こどもたちとこんなお行儀よく自粛生活していまーす!」みたいなのを特集して、それを見ていて息苦しくなるお母さんたちもいるって誰かが書いてて、家に子どもがいるわけでもないのに、私も(もし居たら)そうなりそうだなと思った。虐待は完全悪だけど、そこに至らしめてしまう過程は何となく想像がついてしまう。全部の生活を自分が見なきゃいけなくてやらなきゃいけなくて、そうしないと回らなくて、しんどくて、逃げ出したくなってしまうだろうな。

子ども、ではないけれど、私は障害のある人の生活する場で働いていて、やっぱり利用者は荒れるわけで、誕生会のケーキをぶん投げられて、ぐちゃぐちゃになったり、ドアを蹴って壊されたり、他の利用者を突き飛ばしてしまったり、スタッフを殴ったり蹴ったり。普段そこまでにはならないけど、やっぱり今はこの不安の生活の中、なんでいつもと同じ場所で同じ活動ができないのかうまく飲み込めない彼らが居て、それをなんとかいつもと同じようにと支えるのが仕事だけど、いつもと同じじゃ追いつかない。だってまるで違う生活になってるんだから。そんなのが家庭の中で繰り返されていたら、そりゃシフト制じゃない24時間勤務の何十日間なわけだから、親もおかしくなってくるわけで。とにかく。この今の世はどうしたら楽になるのでしょう。いっそ何事もなかったかのように暮らせば良いのでしょうか。医療現場の人の声を聞いているとそうも行かず、もういろんな意味で取り返しのつかないことになっている気がする。

みんないろんなものを失っている。

この中で、気づいたこともたくさんあると思う。(そうでないと浮かばれない)

 

夜、やっちゃんに風邪薬と栄養ドリンクを買ってきてもらった。で、なんだかんだ話してたら、そういえば、近所のコンビニの夜勤の店員さんが突然死したんだってという話を聞く。「あの人最近見ないですね」と言ったら店長から聞いたらしい。ショック…。いつも居る(それも何年も)人が急に居なくなる喪失感よ。

21時半。36.9°C。風邪薬を飲んで早く寝る。

iPhoneは早速引き取りにきてくれたのでバッテリー交換に出した。