湯楽の里(6)

いつも欲張って最上段に座っていた。けれど、ここのところホームでのみ「ととのい」から遠のいていた不思議。
やっぱりだめだ…。熱気はあるけど汗をかかないのだ。
2セット目、ふと、ストーブの近く、要するに下段に座ってみたらどうかと思いついた。これが当たりだった。腕にも汗の粒。
今日は寒いから水風呂はサッとにして外気浴。やっぱり寒いから寝湯。
そして何となく和らぐ体。
4度目はサ室から出て、掛け湯でそのまま出てみることにした。まんが『サ道』で読んだのを思い出したからだ。冬に熱々のまま出て、歩きながら外気浴という方法を。
これが良かった。冷えずに駅まで歩くことが出来た。
私はパターンにこだわり過ぎて(例えば、上段で10分、水風呂1分、外気浴、どんな日もどんなサウナでもこれを崩さないというような)かしこまってしまっていたのかもしれなかった。
サウナはもっと自由でいい。自分のパターンがあっていいけれど、気分でもっとアレンジしていいんだよな。
そして、私は下段で初心に返った。初めての「ととのい」は、この湯楽の里だった。多分、まだ熱さに慣れていない頃で、だから下段に座ったはずだ。
季節は移り変わった。変わっていく。謙虚な気持ちを忘れずに、そして自由でいようと思った。