稲城浴場(4)

また休日の昼間をダラダラ過ごしすぎた。どこ行っても混んでるし、寒いし。家から出られずに20時。何だかもやもやする。読書するわけでもなく、本当に無駄な1日だと思った。嫌だな。そう思ってからの行動は早い。
寒空の下に飛び出した。
そしてここへ。
ちょうど入れ替わりで誰も居なくなる。サウナも洗い場も私だけだ。
贅沢な時間。テレビもつけずじっくり自分の心と対話しながら何度もオートローリュを浴びる。
修道女はサウナには入らないのだろうか。きっと入らないんだろうとか考え出したら止まらない。玉の汗粒ができる。

3セット全部、屋外のミニミニプール数秒。かなり寒くなった!11月の夜だ。
空角度のシートで体から湯気を出しながら目をつぶる。目を開けるとお忍びで来た温泉宿のような雰囲気。ただならぬ2人が貸切露天風呂で何たらみたいなムードある露天なのである。
儚い。すべて終わってしまう。

帰りにタオルを返して靴箱の鍵を受け取ったらお姉さんが「おやすみなさーい」と言ってくれた。
夜は眠るもの。そう。みんな風呂に入ってぐっすり寝る。そしてまた朝になる。
なんかいい。
すべてに終わりはあるけれど始まりもあると思わされる11月最後の土曜の夜だった。

おやすみなさい。