眠りについて&サウナ

 もともと9時間睡眠でちょうどの人間だった。それは子供の頃からそうで、30過ぎてもそうで。実はいまだに、寝てから8時間9時間は目が覚めないのだ。しかし最近難点が出てきた。それはなかなか寝付けないということだ。多分5、6年前から始まった。その時たまたま寝付けないことが続いたのだと思う。安易に心療内科に行き、薬を処方してもらったことが始まりだ。薬はどんどん強くなり、最終的には最強の2種類になった。そして病名もつけられ薬もコロコロ変わりながら大量になっていく。治る気配もない。意識も朦朧、判断能力はなくなり、感情がなくなる…。そんな中での夜勤である。すると本当に物忘れをするようになった。飲み続けることで脳が侵されていく感覚。そしてそれを疑えないくらいの脳みそになっていくのが恐ろしいところだ。(そして不幸なことに、これはシラフになって気づく)そして肝臓が入院レベルまで悪くなった。ここまで来てやっと、このままではいけないと気づいた。生き直さないと。最後のチャンスかも、って。

 それは今年の春だった。心療内科に行くことをやめた。断薬だ。眠るための薬はなかなか手放せず、内科でも処方してもらうことがあった。寝付けない時はひどい。夜11時に布団に入っても朝の6時まで一睡もできないこともある。睡眠の認知行動療法の本によると、起きる時間を先に決め、いくら眠れていなくてもその時間にはきっちり起きるようにすることが大切だそうだ。すると夜までには眠くなる。床につく時間前に布団に入ることも禁止。スマホはもちろん本も寝床で読んではいけない。何時間寝たかよりも睡眠効率を大切にする。要するに布団に入っている時間=寝ている時間という風にする。脳はそれを記憶する。

詳しくはこちら。(興味のある方は是非)

自分でできる「不眠」克服ワークブック:短期睡眠行動療法自習帳

自分でできる「不眠」克服ワークブック:短期睡眠行動療法自習帳

 

 寝るに良いとされることはいろいろやってみた。寝る2時間前にお風呂に入るとか昼間に陽の光を浴びて歩く事、夜にカフェインを摂らない(本当は15時以降)、暗く静かなところで眠る、寝付けなかったら一度ベッドを出て他の事をする…とかとか。

 しかし、薬を飲まない事で起こる不眠はかなり強力だった。

反跳性不眠(はんちょうせいふみん)
ベンゾジアゼピン睡眠薬を服用することによって、ほぼ満足できる睡眠が得られるようになった段階で、突然服用を中止すると服用前より強い不眠が現れるようになる。これを反跳性不眠といい、一般に作用時間の短い薬剤ほど出現しやすい。

 だそうだ。

 何のリスクの説明もされず、漫然と服薬を続けている人も多いと思うけれど、やっぱり一時期の辛さがおさまったら止められる時にやめたほうがいいと、人体実験をした私は思うのだった。ベンゾジアゼピンの離脱作用についてもネットで検索すると恐ろしい体験をした人の話がいっぱい出てくる。ここではその話は深く掘り下げないでおこう。

 さて、特に寝つきの悪さに対しての行動ではなく、単に気分転換、もしくはすっきりとした気持ちになりたいと思い、始めたサウナ(まだ始めて1週間、2回の初心者) は、心身ともに回復へと向かわせているように思える。心も体も「ととのう」感じだ。本や記事によるとサウナ室の熱さと水風呂の冷たさを繰り返すことでトランス状態になるという。まだそこまではいってないが、水風呂を出た時の他は何も考えられない感覚。そう、思考から感覚で生きられるようになる瞬間の意味は体感できたように思う。この漫画を読んだことでさらに心が躍った。

 さて睡眠の話である。

 昨晩、普段とは寝ている部屋を変え、布団一枚を敷き、枕無しでこの漫画を読んでから眠った。その1時間前にはスマホの電源もオフにした。私は眠る前に過去の嫌だったことを思い出すことがほとんどだ。そしてこれからの不安。体の不調を気にしては検索…そんな日々だった。だから余計に眠れない。眠れないからネガティブなことを考える。スマホブルーライトを浴びる。余計に眠れない。こんなことを繰り返していた。

 でも昨日は違った。あ、検索と思ってもスマホを立ち上げるのが面倒臭い。目をつぶって、温泉か銭湯、そしてサウナ室と水風呂について想像した。「サ道」に出てくるカプセルホテルのサウナを想像した。おじさんになりたい…若者や女子の流行としてのサウナではなく、もちろん美容なんてものは関係がない。単に汗を流す、シャッキリする。気分も爽快で体も軽くなる。たまにサウナのうんちくを話す、年齢も身分も分け隔てないサウナのおっさんになって、ビールをプハーッとやって、がっつり定食を食べたいと心から思った。

 私は偶然さんになっている(「サ道」に出てくる「ぐうぜん!ぐうぜん!」と言うおじさん。偶然サウナで会う人。サウナ中毒のサラリーマン)。サウナのことしか考えていないおじさん。仕事の空き時間、仕事終了後サウナに向かう。サウナで救われている。出張先でも必ずサウナに行く。想像は膨らむ。都会のサラリーマン。職場の飲み会よりもサウナで汗を流し、サウナ仲間とサウナ飯を食べる。はー。金曜の夜は天国だろうなぁ。

 眠っていたようだ。夜中に風が冷たくて少し窓を閉めた。そして朝が来た。久しぶりに11時から12時くらいの間に眠った。そしてやっぱり起きたのは9時だった。最近は朝方に寝付くことが多く眠ったらお昼ということがほとんどだったのでなんだか得した気分だ。今夜も茶の間に布団を敷き、このサウナ瞑想をやってみよう!